「第四種郵便ってやけに安いけど、なんで?」と疑問に思ったことはありませんか?実はこの郵便サービス、特定の目的や条件に限って使える制度で、送料が格安な代わりに注意点も多いんです。
この記事では、第四種郵便の特徴から安さの理由、具体的な送料や配達日数、発送できるものまでを網羅的に解説します。
第四種郵便とは?
特定の内容物に限定されて提供される第四種郵便は、教育や福祉を目的とした支援制度の一環として設けられています。料金が格安な反面、利用には条件がある点が特徴です。
第四種郵便の特徴
第四種郵便は、教育・研究・生活支援を目的とした郵便物に限定された特別料金制度です。対象となるのは「学術刊行物」「点字郵便物」「種子や苗木」など。誰でも使えるわけではなく、内容物や用途に制限があるのが特徴です。

えっ、普通の手紙とか雑貨には使えないの?

残念だけどダメ。特定用途向けのサービスなんだ
第四種郵便の配送方法と種類
第四種郵便には主に以下の種類があります:
- 点字郵便物
- 学術刊行物
- 植物種苗郵便物
- 通信教育用郵便物
それぞれに応じた条件が定められており、例えば学術刊行物は出版社や団体が認定を受ける必要があります。
他の郵便サービスとの違い
通常の定形・定形外郵便とは異なり、目的が明確に限定されているのが最大の違いです。また、速達性や追跡サービスは付けられないこともあり、スピードよりコスト重視の配送手段と言えます。
なぜ第四種郵便は送料が安いのか?
社会的役割を重視している第四種郵便は、採算を目的とせずに運用されています。国の支援や効率的な運用体制により、料金を大幅に抑えられています。
コスト構造と郵便事業の背景
郵便事業の中には、利益だけを追求せず、社会的な使命を重視して提供されているサービスがあります。第四種郵便もその代表格。視覚障害者の情報アクセス支援や、教育・研究活動を後押しする仕組みの一環として設けられており、収益性よりも公共性が重視されています。こうした背景から、郵便局としてはサービスを提供すること自体が社会貢献であり、ビジネス的な利益よりも“利用者支援”の姿勢が前提となっています。
さらに、対象となる郵便物が限定されていることで、取り扱いや処理の簡素化が可能となり、人件費や仕分けコストも抑えやすいという面もあります。
安価な料金の理由とは?
- 郵便法による国の補助制度があるため、一部の費用は国が負担している
- 内容物が明確かつ限定されており、郵便局側での確認・分類作業が効率的
- 民間配送業者との競争が少ない分、価格競争に巻き込まれにくい
- 社会福祉・教育促進の観点から、国としてもコストを下げる方針をとっている
このように、ただ安いのではなく、“公共性を守るために安い”のが第四種郵便の大きな特徴です。一般の郵便サービスとは目的が根本から異なるため、利用には条件があるものの、正しく理解して使えば非常に有益です。

こんなに安いのに、郵便局って大丈夫なんですか?

まぁ、この枠だけで利益を出すって考え方じゃないからね。支援優先だよ。それが郵便局の役割でもあるんだ
第四種郵便の料金詳細
料金の安さに注目される第四種郵便ですが、その価格には明確なルールと制限があります。サイズや重量によって段階的に設定されています。
具体的な料金体系とサイズ別料金
植物や種子などを送る「植物種苗郵便物」の場合、2024年10月に改定された現在の料金(2025年10月時点)は以下の通りです:
- 1kgまで:一律215円
- 1kg超〜2kgまで:310円
- 2kg超〜3kgまで:410円
従来のような細かい重量区分は廃止され、シンプルな3段階制となっています。これだけ安価な料金体系は、他の郵便種別と比べても圧倒的です。
郵便局での発送時に必要なもの
発送物の内容によっては、以下のような準備が求められます:
- 種子・苗を送る場合には、封筒や箱の表面に大きく「植物種苗郵便物」と記載することが必須です。
- 学術刊行物の場合は、発送物が学術目的の出版物であることを証明する書類(例:出版社の発行証明書や大学名の入った送付状など)を添付する必要があります。
- 通信教育用の教材を送る場合は、日本郵便に通信教育事業者として登録されている教育機関からの発送である必要があります。受講生個人が自由に使用することはできません。
- 封筒や袋には、郵便種別がすぐにわかるように明記すること。可能であれば赤文字やスタンプなどを使って目立たせるとスムーズです。
窓口では内容物の確認を求められることがあるため、簡単に開封できるようにしておくとスムーズ。事前に中身の説明ができるようにしておくとやり取りもスピーディーになります。また、窓口担当者が制度に詳しくない場合もあるため、必要な情報を簡潔に説明できるようにしておくと安心です。
レターパックとの比較
レターパックライトは370円で、追跡機能付き・ポスト投函が可能。厚さ3cm以内なら比較的自由度が高く、事務書類や小型雑貨の発送に人気です。
レターパックプラスは520円で、対面受け取りが可能な点が強み。追跡や補償が必要な発送物にはこちらが向いています。
これに対して第四種郵便は追跡不可ですが、特定条件さえ満たせば送料は最安で73円からと非常に安価。条件付きではあるものの、送料を極限まで抑えたい人にとっては他の追随を許さないコストパフォーマンスを誇ります。特に、趣味で植物を交換したい人や、メルカリなどで安価な商品を送る際にぴったりです。
デリケートな郵便物の発送方法
植物や種子、多肉植物などの fragile な郵便物を安全に送るには、専用の梱包と表示が重要です。輸送中のダメージを防ぐ工夫が求められます。
植物や種子の発送時の注意点
植物や種子は、湿気・衝撃・気温変化に弱いため、梱包時の気配りが重要です。ビニール袋+緩衝材で保護し、外装に「植物種苗郵便物」と明記することを忘れずに。
梱包方法と梱包資材の選び方
- 中身が動かないように固定する
- 水分が漏れないように密閉する
- クッション材で周囲を保護
百均の小型タッパーや緩衝材つき封筒が便利です。
多肉植物の発送に適した方法
多肉植物は乾燥に強いため、土を落として「抜き苗」で発送するのが一般的。根本をティッシュで巻き、ビニールで包む方法が多く使われています。

こんな風に発送するって知らなかった…

ちょっとしたコツを知っておくと、届いた時の状態が全然違うんだよ
第四種郵便の配送日数と取り扱い
安価な分、スピードや確実性にはやや劣る第四種郵便。配送には日数がかかるため、用途やタイミングに応じた使い分けが必要です。
配達の日数と土日の影響
第四種郵便は基本的に普通郵便と同等の扱いですが、配達優先度が低いため、到着には数日〜1週間ほどかかることがあります。特に土日や祝日をはさむ場合、通常よりも配達が遅延することが多く、到着予定日が読みにくくなる傾向があります。また、集荷時間によっても到着日が変動するため、できるだけ早めに投函することが望ましいです。繁忙期(年末年始や連休前後)にはさらに時間がかかる場合があるため、余裕を持ったスケジュールでの発送をおすすめします。天候や自然災害の影響も受けやすい点に注意が必要です。
速達サービスの利用と日数
第四種郵便にも「速達」をつけることが可能で、以下の追加料金が発生します(2024年10月改定後):
- 250gまで:+290円
- 1kgまで:+390円
- 3kgまで:+680円
これにより配達日数が通常より早まりますが、即日・翌日配達のようなスピードは期待できません。### その他の発送方法との比較
| 配送方法 | 料金 | 配達日数 | 追跡 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 第四種郵便 | 73円〜 | 2〜7日 | なし | 安価・条件あり |
| 定形外郵便 | 120円〜 | 1〜3日 | なし | 条件なし・やや高い |
| レターパック | 370円〜 | 1〜2日 | あり | 追跡あり・手軽 |
| ゆうパケット | 180円〜 | 2〜4日 | あり | ネット通販向けに人気 |
メルカリと第四種郵便の関係
送料をできるだけ安く抑えたいメルカリ利用者には、条件さえ合えば第四種郵便は非常に魅力的な選択肢になります。
メルカリでの出品と発送方法
メルカリで種子や苗を販売する際、第四種郵便を使うと送料を大きく削減できます。ただし、追跡がないためトラブル防止のために出品説明欄で事前に配送方法を明記しましょう。
送料の負担を抑えるための工夫
- 商品価格に送料を含めた「送料込み」にせず、購入者負担に設定
- 発送前に実測で重さをチェックし、最安料金を適用
- 梱包材を工夫し、厚みや重さを抑える
メルカリの利用者層にとって、送料は購買判断の大きな要素。適切に第四種郵便を活用できれば差別化になります。
第四種郵便で送れるものは?
送れるものは厳密に定められており、条件を満たしていないと利用できません。対象物やサイズ、重量の制限を正確に把握することが大切です。
送付可能な物と不可能な物
【送れるもの】
- 学術誌、研究資料:学術的な内容であれば、大学発行の紀要や研究機関のレポートなども該当します。
- 種子、苗、切り花:園芸愛好家の間でのやり取りに重宝されており、小規模な苗や乾燥した種子などが主な対象です。
- 点字図書、通信教育教材:視覚障害者向けの教材や、学校・講座などで利用される学習用資料も含まれます。通信教育の場合は、教材とともに課題提出用封筒も対象となるケースがあります。
【送れないもの】
- 日用品、雑貨:たとえば文房具や服飾品、アクセサリー類などは対象外となります。
- 食品、生きた動物:生ものやペット、生きている昆虫などは衛生面・安全面から送付できません。
- 一般書籍(商業出版物):市販の小説や雑誌などは学術刊行物とはみなされず、対象外となります。
規定サイズや重量について
- 最大重量:3kgまで(内容物の種類にかかわらず、この制限を超えると不可)
- サイズ:縦+横+高さ=90cm以内(最長辺60cm以内)であることが必須です。
この範囲を超えると、第四種郵便としてではなく、定形外郵便やゆうパックなどの別の手段を利用することになります。また、形状によっては「定形外扱い」となるケースもあるため、事前に郵便局で確認するのがおすすめです。
郵便物の追跡サービスの有無
基本的に第四種郵便には追跡機能はついていません。配達状況を確認したい場合や、相手に確実に届けたい場合は、速達オプションを付けるか、代わりにレターパックやゆうパックを利用するのが確実です。特にメルカリなどの取引では、追跡の有無がトラブル回避の大きなポイントとなるため、用途に応じて使い分けることが大切です。
まとめ
第四種郵便は「特定の条件を満たす郵便物」に限り、非常に安価に送ることができる制度です。その安さの背景には、教育や支援を目的とした社会的役割があるため。発送できるものやサイズ・重さに制限があるものの、正しく使えばコストを大幅に下げることが可能です。メルカリなどのフリマアプリや、趣味で植物をやりとりする人には特におすすめ。この記事を参考に、賢く第四種郵便を活用してみてくださいね。
